小さなクラブサン奏者
クラヴサン(フランス語)は、英語ではハープシコード、ドイツ語ではチェンバロと呼ばれていた楽器です。ツメで弦をはじいて音を出すため、繊細でややきらびやかな音がします。バロック音楽最盛期には、このクラヴサンのための作品が多く書かれました。この曲集には、ヘンデル(1685-1759)、ラモー(1683-1764)、クープラン(1668-1773)、ダンドリュー(1682-1738)といった有名作曲家による子ども用の曲が選ばれています。
中でも、ラモーの「つむぎ歌」は特に有名。ラモーはどちらかというと遅咲きの音楽家で、30歳をすぎてからまず理論家として有名になり、50代になってからオペラ作曲家として名声を得ました。
もう一人、フランスのバロック期を代表する作曲家クープランは、4巻のクラブサン曲集を出版。ルイ14世の前で演奏したこともあり、主にフランス宮廷で活躍しました。またラヴェル(「クープランの墓」)やリヒャルト・シュトラウスを始め、後世の作曲家にも大きな影響を残しました。
ヘンデルのメヌエット(ト短調)は、ウィルヘルム・ケンプ編曲によってよく演奏されるように。少し物悲しいメロディが心に残る1曲です。ヘンデルもオペラやオラトリオに優れた作品を残し、管弦楽組曲「水上の音楽」「王宮の花火の音楽」などもよく知られています。フランスでは毎年夏にヴェルサイユ宮殿で、「王宮の花火の音楽」をBGMに、花火と噴水のスペクタクルを行います。ルイ14世を頂点とするフランス王朝の華やかさが想像できますね。
ダンドリューは神童と言われ5歳で初めての公開演奏をし、ルイ14世の前で演奏したこともありました。「おしゃべり」や「鳥のさえずり」は、クラヴサン独特のはじくような音が似合う曲ですね。ピアノでも軽やかに弾いてみましょう。
こちらの楽譜は他の楽譜と組み合わせることはできません。
作曲家:
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ジャンル:ソロ
難易度:初級
出版社:Edition Delrieu
編曲:
編集・校訂:F.Motte-Lacroix
初版:
ページサイズ:213×280
ページ数:47
印刷ページ数:47
価格:2068円